2012/10/08
苦情申立書
苦 情 申 立 書
平成24年10月5日
東京都公安委員会 御中
西村修平殿の代理人として貴委員会に下記のとおり,苦情を申し立てます。
記
1.事案の概要
任意団体である「主権回復を目指す会」(代表者西村修平)は,平成23年11月頃から毎月4回程度の頻度で,大韓民国と本邦における,所謂「従軍慰安婦」「竹島」等の問題について大韓民国に対する抗議行動として,大韓民国大使館前の路上において,無言でプラカードを掲げる形態の所謂「サイレントデモ」を実行していた。
平成23年11月16日以降は上記大使館所在地を管轄する警視庁四谷警察署において,同会の上記「サイレントデモ」を制限することはなかった。
しかし,平成24年2月1日以降は四谷警察署署員によって,大使館前に進行しうる人数を5人に制限され,3月7日以降は本邦の国旗の携行を1本に制限され,一切のプラカードの携行を制限されるに至った。なお,「主権回復を目指す会」と対応した警察官は,警視庁四谷警察署警備課長と名乗ったとのことである。
2.侵害利益等
「主権回復を目指す会」が韓国大使館に対して上記の「サイレントデモ」を為すことは,紛れもなく憲法第21条に保障される「表現の自由」の発現である。
そして,「主権回復を目指す会」は,上記の表現行為が「公共の福祉」に合致するよう,通行人の往来を妨げず,大使館員に直接言葉をかける等の行為もせず,大使館の業務に支障を来すことの無いよう配慮の上で「サイレントデモ」という態様で表現を為していたのである。
而るに,警視庁四谷警察署は,平成24年2月1日以降は大使館前に進行する人数を5人に制限し,更に同年3月7日以降は本邦の国旗の携行を1本に制限し,一切のプラカードの所持を制限した。
国民の人権を制限するためには立法府の定めた法律によることが必要であり,況してや表現の自由を含む精神的自由権を制限する法律が合憲とされるには精神的自由権の優越的地位に鑑み厳格な基準が必要とされるものとされている。
本件においては,如何なる法律の如何なる条文によって「主権回復を目指す会」の表現行為が制限されたのか,上記法律には具体的に人数制限,国旗携行数の制限,プラカード等所持の制限が定められているのか,制限態様が余りにも過度に及んでいるのではないか,大韓民国大使館以外の大使館に対しても同様の制限が行われているのかが全く明らかではなく,上記警視庁四谷警察署員の職務執行について苦情を申し立てる次第である。
以上
この記事を印刷する