2013/04/14
要 請 文
要 請 文
「まやかしの『主権回復式典』の中止を!」
<安倍政権と自民党は天皇陛下の政治利用を止めよ>
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
内閣官房長官 菅 義偉 殿
平成25年4月12日
主権回復を目指す会
東京都千代田区西神田2-3-18
ダイヤモンドレジデンス307
昭和27年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効すると同時に日米安保条約も発効した。同時発効、ここにこそ最大の矛盾とまやかしが存在する。
本来、対外的条約(日米安保)は戦勝国との講和条約が発効され、わが国の主権が確立・安定した後に、つまり米国を含む全ての占領軍が日本全土から撤退した後に結ばれるべきはずであった。
日米安保は軍事条約である。この条約が締結されたのは講和条約が発効される前、昭和26年9月8日である。日本が軍事占領下におかれ、わが国は占領軍によって何から何まで支配されていた。国家主権が存在しない中で締結されたのが日米安保条約である。主権が存在しない状況下で締結された条約は無効でしかあり得ない。同時発効はレトリックである。
昭和20年8月30日、占領軍の最高司令官・ダグラス・マッカーサーが海軍厚木基地に降りたってから70年、それ以降、日本全土が米軍に好き勝手に使用される状況を放置しておきながら、何をもって「主権回復式典」か。
米国占領軍は未だ日本に占領軍として居座っている。「日米地位協定」に補完された不平等で、日本の軍事的主権は無いに等しい状況のままである。
一都八県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)の巨大な空域が米軍・横田基地によって管轄されている。「横田ラプコン」ともいうが、首都圏とその周辺空域が米軍によって制圧されていながら、何をもって「主権回復式典」か。
沖縄に至っては久米島を含めて本島上空全てが、米軍・嘉手納基地によって管制下におかれている。普天間飛行場の返還は宙に浮いたまま、県民はオスプレイの試験飛行の危険にさらされている。これら沖縄の惨状を放置しながら、何をもって「主権回復式典」か。
沖縄は地政学的見地から、全島が軍事基地として重要な対シナの戦略的要衝である。
しかし、それは我が国土を守る自衛隊が指揮・管轄する軍事基地でなければならず、米国占領軍が指揮・管轄する軍事基地であってはならない。我が国土は我が国が守るものでなければならず、米軍基地を本土に移行させてことが済む問題ではない。沖縄では4月28日を切り捨てられた「屈辱の日」としているが、国家主権を奪われて屈辱を強いられているのは何も沖縄県民ばかりではない。日本国民全体が米国の為に「捨て石」にされている。
本土の基地負担という弥縫策で、国土防衛の喫緊性と主権喪失の現状をひとり沖縄のみに問題を矮小化させては、これも又米国占領軍の実態を隠蔽するまやかしと言える。
米軍撤退後の基地には我が自衛隊が常駐し、国土防衛の任務に当たるのはいうまでもない。我々の主張はあくまで米国占領軍の撤退であり、その上での日米安保条約の全面見直しである。
同時に、この条約を強固に補完している「日米地位協定」の破棄も当然ふくまれる。何にもまし自民党に課せられた最大使命は、憲法改正よりも「日米地位協定」の破棄にこそある。
来たる4月28日、安倍政権と自民党が計画する「主権回復式典」は米国占領軍の実態を隠蔽するまやかしである。この日は、「国恥」記念日または主権回復「祈念日」が相応しい。天皇陛下のご列席を仰ぐことで、「主権回復式典」を沖縄県民と日本国民に強要するなど許されない。国民世論の分断に天皇陛下を政治利用するな。
まやかしの「主権回復式典」を中止せよ!
安倍政権は天皇陛下の政治利用を止めろ!
自民党は憲法改正よりも「日米地位協定」の破棄を!
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