平成十二年十二月八日から六日間にわたり、東京・九段会館などで開かれた「女性国際戦犯法廷」という模擬裁判があった。
正式名称は、実におぞましい「日本軍の性奴隷制度を裁く女性国際戦犯法廷」というものだ。国内向けには、「女性国際戦犯法廷」と意図的に簡略化していたが、海外向けは「日本軍の性奴隷制度を裁く女性国際戦犯法廷」である。ここにこそ、この「模擬裁判」という形式で粉飾した彼ら主催者の隠された意図があったのだ。
模擬法廷では、戦場における個別兵士の強姦罪と慰安婦を意図的に混同させて、日本には従来から「性奴隷制度」が存在し、従軍慰安婦強制連行は「天皇制を構成する一構成部分である」として、昭和天皇と御皇室を悪し様に罵った。
この模擬法廷は、日本に対する差別と偏見を煽って、将来にわたって日本政府を「謝罪外交」で拘束し、行き着くところは日本人の誇りをズタズタに切り裂き、民族の精神的自立を許さないということだ。次代を担う青少年を精神奴隷に貶める日本民族抹殺の反日政治集会であった。
集会を貫く基調はデッチ上げられた「性奴隷制度」であり、日本に対する究極の偏見・差別である。模擬法廷の支援団体は松井やよりらバウネット・ジャパン教職員組合、マルキスト集団や反日フェミ、ニズムグループなど二九八団体に及ぶが、なかでも一際目立つのが全体の六割以上を占めるキリスト教団体であった。
オランダが11月20日、カナダが11月28日に下院で採択した決議は「戦時性奴隷への謝罪」であった。今から7年前に行われた「女性国際戦犯法廷」は、この「性奴隷制度」というおぞましい程までの歴史の偽造を世界に流布する事に目的があったのだ。今日オランダ、カナダなど白人キリスト教徒国家が推し進める日本非難決議は、その目的が今や成就しつつあることを示している。
主権回復を目指す会と「河野談話」の白紙撤回を求める市民の会は12月13日、オランダ、カナダ大使館に抗議に赴き、「性奴隷制度」という人種偏見、日本に対する意図的差別を糾弾した。当方の抗議に対し、オランダ大使館は、ゲラルド・ミッヘルス全権公使が対応、抗議文並びに意見の内容を本国政府に届ける確約をした。この際、西村修平代表は全権公使に、「性奴隷制度」の捏造・人種偏見を厳しく批判、日本人を愚弄するなと警告した。
カナダ大使館前でも同様な抗議を敢行、抗議文はポ−ターフィールド大使代理が受理、本国政府へ伝える約束をした。