対馬は二つの島からなり、北半分を一般的に上対馬と呼ぶ。その上対馬の漁協幹部からの話ではここ数年の密漁は年に約40件がレーダー網で確認されているとことであった。
このレーダーは、年に200件以上も視認されて来ていた韓国漁船による密漁に、漁民の上げる悲鳴に応えて長崎県が設置、その運営と管理を漁協が市から請け負っている。その情報は県が受け取り、海保へ通報しているが、その先の情報処理並びに対処の結果は公表されていない。
レーダーの設置で密漁が激減したとはいえ、根絶ではなく未だ40件も確認されている。幹部の話では入り組んだ入り江や山陰に潜んでしまえばレーダー上での捕捉は出来ない。従って実際の密漁はつかめてはいないが、40件のような少ない数字ではないと幹部は断言する。
漁協が管理するレーダー基地の間近にはウニ島があり、その島は全島が航空自衛隊のレーダー基地である。
密漁は単なる犯罪ではなく、歴とした領海侵犯である。であるならば、航空自衛隊は漁協が確認した40件以上の領海侵犯を自前のレーダーで確認しているはずである。ところがそうした情報が、自衛隊から国民へ公表されたことは一度もないデタラメぶりである。つまり、夜間の密漁は今まで実質的に放置されてきたのであった。ようやく海保は重い腰を上げたとはいえ、毅然とした態度で密漁船を拿捕する気は全く感じられない。対馬近海で韓国漁船の拿捕されたことの一度もない事実が、国のやる気の無さを示して余りある。撒き餌などの海岸線汚染を含め、不逞朝鮮人を断固として取り締まらない県と国へ、漁民は悲鳴を通り越した絶望の無力感に苛まされている。