これでも日本は法治国家なのか-「不当勾留九ヶ月間で考えたこと」
 
【西村修平 『月刊日本』平成14年11月号】
 
 対立する一方の思想信条の持ち主を弾圧する目的で、国家権力の発動が許されるならその国は法治国家といえない。国家権力、つまり警察・検察・司法にコネクションを持つ特定の思想集団及び政治家が、意にそぐわない人物の抹殺・排除を実行するなら、その対象者を刑事事件の対象者に仕立て上げ、長期拘留するだけで十分その目的を達成できる。
 市井の勤労国民であるならば、それによって職を失い、家庭生活を営む身であれば、家族共々路頭に迷ってしまう。不当な長期拘留は私たち勤労国民にとって実質的な「死刑」に相当する過酷な仕打ちであり、人道上も到底許されない犯罪といえる。
 家庭生活の破壊すら意に介さない、彼ら国家権力の意図的な長期拘留、公訴権の乱用は、刑法194条「特別公務員職権乱用」に該当する犯罪行為そのものだ。

【早朝の突然逮捕、起訴そして長期拘留】

 平成十三年七月七日、横浜の神奈川県民サポートセンターで日中友好神奈川県婦人連絡会主催の「七.七蘆溝橋事件記念の集い」(講師・松井やより)という討論集会が開かれた。討論集会に先立って上映されたビデオが余りに反日姿勢に貫かれた内容であったことに憤激し、野次を飛ばしたことが、「威力業務妨害罪」に該当するとして、同年十一月十四日に、私を含む五名が逮捕・起訴され、五ヶ月から九ヶ月間もの不当な長期拘留を受けた。そして明くる年、平成十四年十月十四日、事件から一年三ヶ月後、横浜地裁広瀬健二裁判長は五人全員に有罪判決を下した。事件の首謀者と名指しされた私は、九ヶ月間の長期拘留の上、五名中最も量刑の重い懲役一年六ヶ月、執行猶予五年の判決を受けた。
 判決を不当として、高裁、最高裁と争ったが、平成十五年五月に最高裁で却下され、判決は確定した。
 私は当時、入院治療の妻と高校一年、中学二年の娘を扶養する身であり、経理課勤務二十五年、無遅刻無欠勤の建設会社の一サラリーマンであった。その私が、何故に逮捕・起訴され九ヶ月間も拘留されなければならなかったのか。
 仮に、五名が「事件」に関わったとしても、住居氏名が明らかであり、しかも逃亡の恐れもなく、且つ軽微な「事件」からして任意捜査であるべき筈だ。過去の例からしても、今回の事犯に対しては強制捜査など常識的にあり得ない。だとすれば、私たち五名は何を理由と根拠に逮捕・起訴され長期拘留を受けたのか。そして誰がかくも異例な捜査を指揮したのか。その狙い、目的は一体、何なのか。
 罪状は「威力業務妨害」であるが、証拠など何一つなく、反日極左陣営の一方的証言のみであり、その証言でさえ私の実行行為を証明するものは全くなかった。
 私は「事件」から約四ヶ月後の平成十三年十一月十四日の早朝、事情聴取もないまま自宅にて突然の拘束・逮捕されたが、これは拉致・監禁であり、正しく国家権力による「白色テロ」といってもいい。しかも、第一回目の公判開始が、逮捕から七ヶ月後の五月二十日であった。裁判の引き延ばしが人権派弁護士ではなく、国家権力によって堂々と行われていた現実に、私は今も怒りを抑えきれない。
 私たちが参加した七月七日の「討論集会」の主催者代表は、高良真木。彼女の母親高良とみは戦時中、大政翼賛会に参加するが、戦後は豹変してシナ・中共政権の支持を訴えるなど「変節者」として、つとに有名である。娘の高良真木も中共政権の代理人として、日中友好に励むいわば母娘二代に亘る日中屋の草分け的存在である。
 当日の講師は松井やより。日本軍の「性奴隷制度」は、「天皇制の一構成部分」といって憚らないプロテスタント教徒である。天皇制打倒をライフワークとする反日原理主義のリーダーだ。

 この日の「討論集会」での私の行動とは、松井やよりが開催した「女性国際戦犯法廷」を記録した上映ビデオの画面に、元日本軍兵士を自称する老人が登場し、シナ人女性を強姦・殺害した自慢話に「こいつは国賊だ!切腹して日中両国国民に謝罪しろ」と発言しただけである。これが「討論集会」の成功を妨害する企てとされ、さらにはこの集会に先立って、横浜東急ホテルのロビーで待ち合わせしたことが「共同謀議」とされたのだ。
 私は抗議発言の直後にこの会場を退出し、会場を貸した神奈川県民サポートセンターの管理責任者に会って、公的施設の「使用規則」に反する政治集会に使用許可を与えた管理責任を糺していた。従って、私が会場にいた時間は五分からせいぜい十分程であって、妨害の指揮など取りようがない。この抗議の最中に、主催者の高良真木と県職員が神奈川県警に、「右翼が乱入・妨害中」と出動を要請していたのである。
 しかも驚くべき事に、私が抗議した神奈川県民サポートセンターの江尻二十三と名乗る課長補佐は、私の指摘を無視するどころか、嘲笑を浴びせた上で、まるで「殴ってみろ」と言わんばかりに挑発を仕掛けてきたのである。
 驚くことはそればかりでない。何とこの江尻二十三の身分が実は、神奈川県警本部警務課の事務吏員で、二十年以上に亘りサポートセンターに出向しているという事実だ。県警本部職員の江尻は、七月七日の「事件」発生直後の七月十二日に早くも神奈川県警本部で事情聴取を受けている。江尻の検事調書によると「右翼組織に所属する西村等がサポートセンターで行う抗議に一般市民が多大な迷惑を受けているので厳罰を与えるように」と述べている。彼は使用規則に反する違法集会への取締要請を無視するばかりか、自らの職務怠慢を棚に上げ、我々五人の逮捕と起訴に協力したのだ。
 まさに、「事件」は脚本通りの出来合いレース、神奈川県警とサポートセンターの癒着・馴れ合いどころか、両者合作のデッチ上げといってよい。

 私が強調したいのは、ビデオ画面に登場する「中国帰還者連絡会」の元日本兵に、「こいつは国賊だ!切腹して謝罪しろ」と野次ったが、会場からは「静かに」「うるさい」等の注意は何一つなく、シーンと静まりかえり、ビデオは上映され続けたことだ。
 当然であろう。この元日本兵の所業は、国家間の戦闘行為とおよそ次元の異なる個人的犯罪行為であり、彼らは日本軍と日本人の名誉を汚した国賊そのものだからである。自称元日本兵らは戦闘行為のドサクサに紛れ、己の欲望を満たしただけの殺人強姦魔にしかすぎない。本来ならば、軍法会議にかけられ処刑されていた筈である。この輩は、撫順戦犯収容所で洗脳され、戦後日本に送り込まれたシナ・中共の政治工作員といってよいのがその正体である。
 会場の九割方を占める女性達の誰からも、主催者の高良真木、松井やよりからさえも、元日本兵を糾弾する私の「野次」に注意や非難の声は起きなかった。それは思想信条の違いを超えて、女性としての立場から、会場の圧倒的多数が私の「野次」に共鳴してくれたのだ。「この元日本兵は鬼畜であり、憎むべき女性の敵である」と。

【日本はもはや法治国家と言えない!】
 ところで、神奈川県民サポートセンターは神奈川県民の税金で運営する公的施設である。使用するにあたり、目的・内容が「公序良俗と公共の利益」に反してはならず、「使用規則」に拘束されることはいうまでもない。サポートセンターも、これを受けて「営利を目 的にしない社会に貢献する活動を支援する」との条例を設け、公益を害する場合の利用拒否を定めている。つまり、公益や社会への貢献に反する事業に貸し出すことは出来ないと。
 当日の討論集会会場には、「天皇制打倒」「扶桑社版歴史教科書採択反対」「通信傍受法反対」等のチラシが山と積まれ、配布されていた。公的施設での開催に相応しくなく、使用規則に反する違法集会であるのは明白である。しかも、彼らのなかには入り口で、「横浜教職員組合」の幟を立てる現職の教職公務員がおり、彼らが運営を取り仕切って多数参加していた。「地方公務員法」に照らし、懲戒処分の対象にされなければならない連中だ。
 さらに、高良真木等は利用目的欄に「講演会」のみとだけ記載し、「入場料の徴収は無し」と申し込んでいる。ところが実際は、NHKが公共放送に相応しくないと放映カットまでせざるを得ない問題のビデオを上映し、公序・良俗に触れる「目的外の使用」をしている。しかも、五百円の入場料の徴収という違法行為を平然と行った。彼女らはこのような不当な手段で利用許可を受けていたのである。その手口たるやオウム真理教と瓜二つである。オウム真理教は「言論の自由」を隠れ蓑に、「ヨガ講習」とか「料理実習」の虚偽名目で公的施設を借りては布教と浄財集め、洗脳活動の拠点にしてきた。

 高良真木や松井やよりは「言論の自由」を妨害されたと被害者面を装っているが、不正の手段で借りた公的施設を活動拠点に違法行為を繰り返す反日原理主義者である。国民の税金で運営する公的施設を反日活動の拠点にする点では、まさに同じ穴のムジナであり、日本人と国家の誇りを喪失させようと画策する言論のテロリストと断定して然るべきである。
 「蘆溝橋事件記念」とはおよそ関係のない「昭和天皇断罪・打倒」「扶桑社版歴史教科書採択反対」「通信傍受法反対」の政治集会が、公的施設での開催に相応しくない違法行為にあたるのは明白である。
 ところが判決では、驚くべきことにこれらの違法行為を「正常な業務」と認定し、私たちの抗議が刑法上の「妨害行為」と決めつけられた。従って、「威力業務妨害」による有罪判決は、反日極左の違法行為を「妨害」したことにその根拠が存在することになる。満員電車の中で、暴漢をたしなめ、その暴力を止めさせようとした行為が、「威力業務妨害」になるのと同一の論理。社会規範、常識などを頭から無視、否定した判決ではないか。
 公的施設における彼ら反日極左の違法行為の中身を問えば、単なる違法のレベルをはるかに超え、国家の安全保障に直結する問題を孕んでいる。反日極左の違法行為が刑法上の保護を受け、それに意義を申し出た国民が九ヶ月間も拘留され、懲役刑に処せられたのだ。この国はもはや法治といえず、無法国家ではないか。

 日本は法治国家である。法治国家に於ける「言論の自由」とは公共の利益と、その国の文化・慣習に立脚した公序・良俗という規制を前提とした理念であり、この規制がなければ「言論の自由」はただの放縦か、国家秩序の崩壊を招く無法でしかない。
 日本国の破壊を目的にする反日原理主義者に、公的施設の利用を拒否したところで「言論の自由」に反するどころか、それこそ「公共の利益」と「公序良俗」の理念に適うというものである。「ヒロヒト有罪」「天皇制打倒」を訴えたいなら、高良真木、松井やよりは彼女らの自宅や教会、自分の敷地の中でやればよい。あるいは、新宿や銀座の歩行者天国で、原宿の竹下通りで思う存分「言論の自由」を訴え、国民の批判を仰いだらよかろう。彼女らといえども、法治国家の日本では「言論の自由」は十分に保証されているのだ。
 しかしながら、連中は得意の虚偽記載の手口で、公的施設を借りては反日プロバガンダに専念する。まさに、言論のテロリストたる所以がそこにある。
 そしてそれ以上に無視できないのが、虚偽記載の「利用申し込み」を意図的に見過ごし、便宜を図る公的施設職員の職務怠慢である。極左勢力と強く結託した神奈川県民サポートセンターの職員等は、地方公務員法第三十三条「信用失墜行為の禁止」、同三十五条「職務に専念する義務」に触れるにも拘わらず、違法集会に対する私の義務を無視し、あろうことか、「右翼乱入・妨害」と県警に出動要請したのだ。

【警察は何故現場で私たちを逮捕しなかったのか?】
 私たちは「女性国際戦犯法廷」の主催者である松井やよりの講演、彼女との自由討論があるというので、この日の討論集会に参加した。この集会の案内チラシはサポートセンターの玄関や多数の来客が出入りする場所に置いてあり、インターネット上にも掲載されて参加者を呼び集めていた。
 そもそも、この「女性国際戦犯法廷」とはいかなるものか。平成十二年十二月八日から五日間にわり、東京・九段会館で「昭和天皇の戦争責任断罪」を目的に開かれた裁判劇という名の政治集会があった。正式名称は「日本軍性奴隷制度を裁く女性国際戦犯法廷」という真におどろおどろしい悪意と偏見に満ち満ちたものだ。
 彼らは、戦場における個別兵士の強姦罪と慰安婦を意図的に混同させ、日本軍による「性奴隷制度が天皇制にあり」とするでっち上げを、海外に向けて喧伝したのだ。「性奴隷制度」が天皇制の一構成部分だと嘘を煽り、日本に対する偏見と差別を助長しては日本人の誇りをズタズタに傷つけた。終局的に、我が国の精神的自立を許さないとするのが、彼らの狙いであり、目的である。
 松井やよりは、シナ・中共、朝鮮、欧米などのメディアを動員し、東京裁判では実現できなかった「天皇制」の廃棄を究極目標にしていると公言している。将来に亘って日本政府を謝罪外交で縛り付け、青少年の自信を喪失させる民族滅亡の国際的陰謀といってよい。「東京国際裁判不十分史観」の国際的展開である。

 私たちが抗議の声を上げ、野次ったのは「歴史の沈黙」と称する反日ビデオに対してであった。余りに酷いビデオ内容に憤激した私たちが野次ったとはいえ、ビデオはそのまま上映され、支障なく終了した。私たち五名の内一人が、空になった飲料水入りカンを投げたことで、一時的混乱はあったとしても、主催者側が「自由討論」を中止する理由は全くなかった。私は、この討論集会を中止することは言論の封殺にあたるとして、集会の継続を高良真木に会場で最も強く要求したのだ。
 注目すべきことは、彼らの要請に基づいて出動してきた十四,五人の県警の警察官は「妨害者」である私たちを排除せず、現行犯逮捕さえしなかった。警察官の導入は討論集会の開催を確保するための、その妨害要因の排除だった筈である。にもかかわらず、我々はその場で事情聴取もされず、警察官と雑談するのみであった。彼らは出動し、現場状況を確認したものの私たちを排除・現行犯逮捕する要因が存在しないから、至極当然であった。
 それにも拘わらず、四ヶ月後の空白を経て事情聴取すらないまま、突然にしかも五名が同時に逮捕され、九ヶ月間の拘留を受けることになった。この空白の四ヶ月間に一体何があったのか。

【デッチ上げられた「威力業務妨害」と「共同謀議」】
 検事調書は五名全員に共通して、「異なる意見の持ち主である討論会に出席すること自体、常識的意味での妨害」との文言で言いくるめている。この例に従えば、政府主催の公聴会やタウンミーティングに参加して、賛成あるいは批判の声を上げることすら、全て「威力業務妨害」に相当してしまう暴論である。
 また、この集会に参加するため、横浜東急ホテルで待ち合わせしたことが「事前共謀」と決めつけられた。しかし、「共謀」したというものの、肝心の共謀現場である東急ホテルでの裏付け捜査は何一つしていない。
 「被告人らが・・・西村を中心に謀議を行い・・・本件集会を妨害することを再確認しその共謀を遂げた」と検事は主張しているが、当日、逮捕された五名の内の一人、福島達樹氏は東急ホテルに赴いていないのだ。検察官は何を根拠に不在の人間が、東急ホテルにいたと主張するのか。現場に不在だった人間と、どのように威力業務妨害について「共同謀議」を謀ることができるというのか。さらに、会場には五分から十分もいなかった私が、どのように「妨害行為」を実行・指揮したかを、何一つ証明出来ていない。検察側の証人においてすら、私の実行行為は明らかにされていないのだ。
 判決で、これらの疑問点は全て不問、却下された。特に判決主文では私に対し、「反省の気配が全くなく、再犯の可能性が大いにあり得る」と断定し、異例ともいえる五年の執行猶予が下された。この種の「軽微」な事件ではおよそ想像すら出来ない長期の執行猶予である。

 私を含め、今回の事件で逮捕され有罪判決を受けた五名は、これまで各地の公的施設を利用した左翼の反日政治集会、その他の違法行為を暴き、これを取り仕切り参加する教職員組合の行状に厳しく目を光らせてきた。
 具体的には、各地で開催される「反日」戦争展の問題点と、これを推薦する教育委員会への抗議と推薦取り消し要求である。公的施設で上映する「南京一九三七」や「従軍慰安婦」映画の問題点の指摘。この他、白表紙本を不正入手し、特定教科書の採択に反対する教員への懲戒処分等の取り組み。NHKの「ETV1001・戦争をどう裁くか」の放映中止を要求する抗議座り込み等々、いずれも相応の成果を上げてきていた。
 その後、「新しい歴史教科書」に反対キャンペーンを張る朝日新聞社に抗議して、ロビーに於ける座り込み活動を行った。それに続く中共、韓国大使館への抗議デモ、その他チベット独立、被拉致日本人の救出署名運動、外務省、田中真紀子邸、野田栄二郎邸等々・・・。こうした抗議活動が、反日左翼と親中・媚中政治家等の勘に触っていただろうことは間違いない。
 検事は公判に於ける陳述で、「被告人は右翼団体に所属しその組織員として・・・」と、「右翼」なるものが社会的に、その存在が許されない悪であるイメージを定着させようとした。私たちの保釈請求を、幾度も却下した際の裁判官の論拠も同様であった。私は「右翼なる定義、その判断の基準、右翼と決めつける根拠を明らかにせと」と。検事と判事に問い質したが、彼らから一切返答はなかった。
 法に照らし、客観的事実と証拠に基づいて審理・裁定する公判において、その理由・根拠すら明らかにしないまま「右翼」と決めつける方法・手段は、予断と偏見を煽る意図的作為でしかない。

 彼ら国家権力の狙いとは何なのか
 私たち勤労国民である保守運動家と、日本の危機的現状に憂慮を抱き、反日左翼の跳梁に嫌悪する一般国民との結びつきを分断することこそ、その狙いである。そうでなければ、通常の社会生活と家庭生活を営むこの私を、九ヶ月間にも亘って長期拘留して有罪判決を下すわけがない。これ以上の勤労国民に対する人権蹂躙はないだろう。
 私の場合、住居氏名が明らかであること、逃亡の恐れがないこと、罪障隠滅の恐れがなく、事件が軽微で、しかも参考人的立場でしかない。以上から、過去の例から見ても逮捕・起訴され、有罪に相当するとは常識的に考えられない。
 しかも、行為終了後の四ヶ月を経ての逮捕であり、且つ九ヶ月間という長期拘留は、適正捜査をはるかに逸脱している。強制捜査は検察官一体の原則により、検事総長の指揮の下、検事正と担当の吉田 久検事が強制捜査を断行したのは間違いないだろう。

【遂に司法界にも及んできた中共の対日工作】
 だとしたら、その背後に何があるのか
 国際的な外交圧力しか考えられず、これと結びついた国内の政治家が警察・司法権力に力を及ぼして、長期拘留・有罪を仕立て上げたのではないか。正に、国家権力による「白色テロ」であり、シナ・中共の対日工作が、司法の分野にまで及んでいる異常な事態といってよい。シナ・中共の対日工作が、マスコミや政治家などあらゆる分野に浸透している現状からすれば、何も不思議なことはないのである。
 公判廷において、被告側証人が「中国は独裁国家であり云々・・・」と述べた下りで、検事は「特定の国を差別する発言である」として、証人に発言の撤回を要求した。他にもこの検事は、高良真木に対する弁護側の反対尋問で「何を目的に、何のために天皇打倒をサポートセンターで開いたのか」と問い質したのに、「個人の内面に関することで本件とは無関係である」と弁護人の尋問を中断させた。
 最も極めつけは、最終弁論において飯島康博主任弁護士が、「日本国憲法の主旨に反して、国民の象徴を冒涜する反公序良俗的なビデオを目のあたりに見せられて」と述べた途端、渡辺洋子検事は「冒涜の部分は不相当だから削除を求める」と血相を変えた。私は一瞬、この法廷は外国の法廷ではないかと錯覚してしまった。

 中国共産党『日本解放第一期工作要綱』の「対極右団体」の項で、右翼が「国家・民族というスローガンで民衆に近づく道を封じられている。否彼らがそれを強調すればする程、民衆は彼らから離れていく」として、「人民の右派嫌悪を更に高め、定着させる」との方針が述べられている。
 とすれば、この度の私たちの「事件」は、中国共産党の方針の下、彼らのシナリオ通りに沿って演じられたといっても過言ではない。
 森山法務大臣は以上のことを踏まえ、警察庁長官と検事総長に対する指揮・監督責任者として、今回の事件の強制捜査並びに逮捕・起訴、長期拘留が適正であったかどうか、国民に明らかにする義務がある。私はこの問題を徹底して追及する覚悟である。

 高良真木と松井やよりが、自らの見解と主張に確信があるならば、私たちの見解をなぜ「討論会」で粉砕しなかったのか。
 討論集会の開催を要求する私は会場で高良真木に、「あなたが、今までやってきた日中友好はシナ・中共の対外工作でないか」「あなたが、少なくとも婦人の立場を強調して日中友好をやるならば、現実に進行中のチベット人女性の人権蹂躙、中国共産党によって労改で迫害を受けている女性民主活動家の人々をなぜ救援しないのか。なぜシナ・中共の人権問題を無視するのか」と質し、追及した。

 高良真木は、急所を突かれた私の質問に恐れをなし、ダブルスタンダードを参加者の面前で曝される辛さに耐えかねて逃避しただけのことである。「討論会中止」は、全て主催者・高良真木の独断による決定であり、他の誰の責任でもない。「威力業務妨害」の要因など何一つとして存在せず、完全なるでっち上げだったのである。
 彼女らは「言論の自由」を声高に叫びながら、討論集会での敗北を察知するや自らの手で「言論の自由」を握り潰し、挙げ句の果てに、その責任を私どもに転嫁した。天に向かって唾を吐く行為であり、万死に値する卑劣な所業といわざるを得ない。
 五名の長期拘留によって、家族が受けた苦痛や経済的損失は甚大である。反日左翼と結託した権力が、身体を拘束して痛めつけようとも、私たちの精神には指一本触れることは出来ない。

 一寸の虫にも五分の魂
 日本人としての誇り、家族に対する父親としての自負、何よりも支援を戴く方々への義務として、この国の破壊を目論む検察・司法、反日左翼の所業を許すわけにはいかない。
 ことは「言論の自由」に止まらず、国家の安全保障に直結する問題を孕んでいる。公判のまやかし、判決の欺瞞と権力の横暴を放置するなら、保守派の市民運動に対する口火を切らせることになる。
 捜査の実態とその経緯、背後で画策した政治家と司法権力の癒着など、私たちはこれらを決して不問にしないし、風化させない。

 かくすればかくなるものと知りながら男子の本懐示すときあり
 
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