外国人参政権問題の本命はシナ人だ
 
國民新聞 平成十七年四月二十五日
本紙論説委員長 酒井 信彦
東京大学教授
 

 永住外国人に地方参政権を付与するという外国人参政権問題は、かなり以前にしきりに取り上げられていたが、一時期下火になっていた。ところが最近再び問題化しているようである。この外国人参政権については、在日韓国人がもっぱら主張していることから、朝鮮人の問題と理解されているのが大方だが、本当にそうなのだろうか。日本における外国人問題は、結局シナ人問題に行き着くのではないかというのが、私の基本的な考えである。

 まず永住外国人、特に永住シナ人は今後急速に増加する可能性が高い。今から五年前の平成十二年一月に、当時の小渕首相の私的諮問機関「二十一世紀日本の構想懇談会」が、その最終報告を発表した。これは英語を第二公用語にすべきだという提言で話題になったものだが、その中に「移民政策へ踏み出す」という項目があり、「当面、日本社会の発展への寄与を期待できる外国人の移住、永住を促進する明示的な移住・永住制度を設けるべき。留学生に対しては、日本の高校、大学、大学院を修了した時点で、自動的に永住権を取得できる優遇策を考えるべき」とはっきり書いてある。この留学生に自動的に永住権を与える制度はまだ実現していないが、この報告書にある案内板に英語のほかにシナ語、朝鮮語を併記するという提言は、すでに実行されている。

 さて昨年五月における日本学生支援機構の調査によると、日本への外国人留学生数は十一万七千三百二人になり、前年比七・一%の増加で十万人の大台を突破し、過去最高を記録した(「産経新聞」平成十六年十二月四日付)。そして国別の比率を見ると上位三カ国が、中共六六・三%(七万七千七百十三人)、韓国一三・二%(一万五千五百三十三人)、台湾三・五%(四千九十六人)であり、中共からの留学生が圧倒的に多いことが分かる。つまり中共の留学生に自動的に永住権を与えていたら、たちまち在日北朝鮮・韓国人を追い抜くことになるだろう。

 ところで日本に定着したシナ人の動向を予測する上で、帰国した中国残留孤児の人々の在り方が極めて参考になると考える。これらの人々は満州で家族と生き別れになるという、真に不幸な運命に見舞われた方々であることは確かである。ただし日本人はこの問題を余りに情緒的に捉え過ぎるのではないか。マスコミがそれを更に煽りに煽った。世界的に見ればこのような事例は至る所であった。そして現在でも数多く起こっているだろう。島国に閉じこもっていた日本人は、その体験が殆どなかっただけである。残留孤児の人々は中共での生活が余りにも苦しいから帰国したのであり、端的に言って肉親の情愛からではない。したがって本人のみならず中共の親族も多数同行した。そして今どうなったのか。永住帰国者の実に七割を超える千八百六十二人が、国の待遇が悪すぎると集団訴訟を起こしているのである(「朝日新聞」平成十六年十月四日付)。現在の日本は、年間一万人が生活苦のために自殺に追い込まれているにも拘わらず、これがシナ人のメンタリティーである。

 中共の経済が幾ら急成長したところで、庶民の生活は絶対に楽にならない。シナ人にはもともと、平等という観念は無い。貧富の格差はますます拡大するに違いない。中共では内陸部から沿岸部に向かって、民工という盲流が流れ込んでいるが、それが日本を目指して海を渡ってくるだろう。というより既に流れ込んでいて、東京だけでシナ人の不法滞在者は十万人になると、シナ人自身が言っている(馬立誠著『反日からの脱却』)。もし東アジア共同体などができれば、更に人口流入は加速度的に増大して、合法・非合法併せた膨大なシナ人が日本に入り込んでくる。その人々が参政権を持っていれば、日本の政治も行政も我が物顔に引きずり回すだろう。もともと大人しい上に、歴史問題で罪悪意識を植え付けられた日本人は、なす術も無くやられるに違いない。

 要するに外国人参政権は、シナ人による日本侵略の極めて重要な手段になることは明白である。このシナ人が得意中の得意する人間そのものによる侵略は、軍事的侵略ではないから日米安保条約があっても防げない。こんな簡単なからくりに気が付かず、侵略現行犯民族シナ人に対する警戒心が皆無で、東アジア共同体構想に夢中になる日本人の白痴性に、当のシナ人は心の底から呆れ果て、対日侵略意欲をますますかき立てられていることだろう。既にして現在の日本は精神的亡国状態である。民族は精神から滅びるのだ。

 
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