声 明 文 参拝取り止めは安倍政権の行き着く帰結 <安倍首相が手玉に取ったのは温家宝ではなく保守派言論人だ> |
平成19年8月12日 |
主権回復を目指す会代表 西村修平
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安倍内閣の閣僚16人全員が、8月15日の終戦記念日に靖國神社へ参拝しない意向を示した。安倍首相の“あいまい戦術”に配慮して、閣僚の誰一人として参拝しない異常な終戦記念日を迎えることとなった。安倍政権の内情とその性格からすれば、何も今更驚くべきことでもない。しかしながら、政権中枢の溶解する速度は、保守派の思想的堕落と相まって想像を超える勢いで加速している。 【安倍政権はシナ・中共の実質的傀儡】主権回復を目指す会は、既に平成18年11月に『安倍政権で完成したシナ・中共の対日精神侵略の完成』と題した声明文を出し、安倍政権への見解を示した。 「安倍首相は、シナ人・朝鮮人によるに精神的いじめ、意図的な偏見に基く差別・迫害に、完全に屈服してしまったのである。これによって、シナ人による歴史、特に近代史を利用した対日精神侵略は、完成を見るにいたった。日米経済戦争とは比較にならない、思想戦・宣伝戦における日本の大敗北であり、これこそが悲惨極まりない第二の敗戦である」(当会顧問・酒井信彦)。 さらに今年7月7日、『安倍首相に求める靖國神社参拝』決議文を内閣府へ提出した。 「靖國問題の本質はシナ・中共が日本人の民族精神を抹殺するための道具・手段であって目的ではない。目的の究極はシナ・中共が日本を侵略・併合することであり、その前段階における精神侵略という地ならしである。(略)安倍首相が“あいまい戦術”という屈服で靖國問題を『回避』したとしても、日本侵略・併合が究極の目的である限り、シナ・中共が靖國に代わる言い掛かりを次から次へと突きつけて来るのは自明の理ではないか。シナ人評論家(石平)と一部の保守派言論人が、首相の“あいまい戦術”で『手玉に取られた温家宝首相』(ヴォイス六月号)と持ち上げているが、笑止千万としか言いようがない。 来る8月15日、安倍首相が靖國神社公式参拝を取りやめたならば、それは日本民族の精神を否定することであり、精神の否定、すなわちシナ・中共、韓国の精神奴隷に成り下がり、日本人としての存在を抹殺する自殺行為である」(当会代表・西村修平)。 また、8月2日には『自民党大敗を祝する日本民族の再生・復活』と題した声明文で参院選挙の自民党敗北を論評した。 「国会議員の責務は国民の生命・財産・安全を、併せて国家と民族の名誉と誇りを守ることに尽きる。国会議員の責務が選挙の争点にならない国政選挙において、保守を『期待』される自民党が大敗を喫したところで、すでに崩壊を来した日本の現状に対し、大した影響など与えない。勝ったところで、国家の救済能力を欠いた自民党に何が期待できようか。 我々の見解は、シナ・中共の対日精神侵略は既に完成し、日本が従属国家の位置に組み込まれていると見なす。さらにアメリカが、慰安婦強制連行などの歴史偽造をシナ・中共と共同でもって連携・駆使して、我が国を収奪・支配する新たな局面を迎えている現状であると認識する。この現状を確定的に至らしめた主役が安倍首相であり、その政権と側近ブレーンであると」(同・西村修平)。
【安倍首相に手玉に取られたのは保守派】首相就任直後の訪中で示した日中友好再開という精神侵略の促進。訪韓では不法占領されている竹島には一言も触れなかった。温家宝首相の来日では遺棄化学兵器への処理費用追加、宝山製鉄所建設に匹敵する最先端公害処理技術の供与と援助など。訪米では慰安婦強制連行を認め、謝罪する売国振りなどなど・・・。こうした国益を蔑ろにする安倍政権にして、この度の全閣僚が揃って靖國神社への参拝を中止する事態は、不思議でも何でもない当然の帰結といえよう。 我々は抽象ではなく、具体的事実を取り上げて安倍首相のシナ・中共への屈服を批判し、その軌道修正を訴えてきた。名もない一般国民からの支持はあれ、国会議員やいわゆる保守派言論人からの反応は全くない。それどころか「安倍批判は保守派の内部分裂を促し、敵を喜ばす。または、靖國神社参拝の署名要求などは、敵(シナ・中共、朝日新聞)の攻撃を招き、事態を悪化させる」(大原康男氏・英霊にこたえる会)などなど・・・。 岡崎久彦氏(外交評論家)に至っては、安倍首相を「就任直後の訪中、訪韓、その後の温家宝首相の来日と首脳会談、そして日米首脳会談などG8サミットにおける環境問題など、野党も新聞も一言の文句のつけようのない成功であった」(産経新聞8月1日)と賛美に終始している しかしながら何のことはない、敵であるシナ・中共、朝日新聞でさえも安倍政権の屈服を高く評価し、批判しなかったということだ。 安倍首相に手玉に取られたのは温家宝首相ではなく、岡崎久彦氏や石平氏ら安倍政権に寄り添い、これを賛美する保守派だったのである。彼ら保守を政権に取り込むことによって、保守派からの批判を封じ込めたのである。正しく「野党も新聞も一言の文句のつけようのない成功であった」(同)と述べる通りの、これは岡崎氏の自白である。
【靖國神社参拝を道具にする保守の偽善】安倍政権の精神的支柱とされている中西輝政氏(京都大学教授)は『週刊文春』(8月16日・23日)で、『起死回生は8・15靖国参拝だ』と題した直言を寄せている。首相本人ではなく、大衆向けの週刊誌に「なすべきことを直言する」とは、クビを傾げざるを得ない精神的支柱であり、直言でもある。 中西教授は来る8月15日の靖國神社参拝の決断を促して、「そうすれば支持率も必ず回復し、来るべき総選挙でも勝てる体制まで『押し返す』流れが作れる」と。 首相の靖國神社参拝は国家の指導者として自然な行為であり、祖国に殉じた同胞に対する当然の義務である。首相の義務、国民に対する義務を安倍首相はシナ・中共、韓国、朝日新聞の意向に配慮して取りやめて来ていた。 中西教授は岡崎久彦氏、石平氏らと共に、これを“あいまい戦術”と称して自画自賛してきたが、選挙が敗北するや否や一転して今度は靖國神社参拝を「総理の決断」として直言している。こうした今更ながらの直言は、しなければならない首相の義務を、選挙道具に置き換えた英霊を蔑ろにする偽善以外の何ものでもない。 諸々の選挙結果は、安倍政権に仕える保守派言論人の精神的脆弱と敗北思想を見事に証明した。安倍政権を評価し、ブレーンとして側近に加わり、これを支持・賛美してきた保守派言論人は、この度の安倍首相を始めとした全閣僚の参拝中止に対し、納得と責任ある釈明、そして自らの見解を明らかにしなければならない。 |