司会・西村修平 (主権回復を目指す会代表)

酒井信彦先生が東京大学を今年の三月に退官されました。私達のお願いとして先生にはこれから日本の民族運動の理論的なリーダーとして活躍して頂きたいということで、「主権回復を目指す会」の事務所を立ちあげました。事務所に先生をお招きして色々な民族運動の研究、併せて先生の専門であります室町時代における宮中儀式の研究をも進めて頂きたく考えております。そういう経緯で「日本ナショナリズム研究所」を同事務所に併設し、この度の開設記念講演となりました。

 今日は酒井先生に「民族意識の喪失が日本没落の根本原因」というテーマでお話して頂きますが、ご存知のように酒井先生は日本の右の運動における言論界からは実質的に“追放”されています。(笑い)何故追放されているかというと理由があります。我々が何故に研究、言論をおこなうのかというと、社会を改革するために、今現実に目の前における問題を解決するために、現状を改革するためであって、議論の為の議論ではありません。一方において、言論のための言論は問題が解決したらお終いなります。ある意味で言論が終結することを最も恐れる方達が右の陣営とか、保守の陣営にいるということです。酒井先生は常に結論・目的を述べます。後はやるかやらないかによって言論が終止するわけです。ここに、右とか保守から排斥される根拠があると私は考えています。今日は安倍政権が誕生した局面における日本の現状において、我々は何を為すべきかという問題について酒井先生がお話しして下さると思いますので、皆さん、ご清聴をお願いします。では先生お願いします。

 

 

民族意識の喪失が日本没落の根本原因だ

―日本の敵と徹底して戦うナショナリズムの必要性―

 

平成18年12月16日(靖国会館)

酒井信彦(日本名ショナリズム研究所所長、

主権回復を目指す会顧問)

 

 

【シナ・中共による精神侵略の完成とは】

「日本ナショナリズム研究所」発足記念ということで、私が現在考えていることを、現状認識とこれからどうしたらよいかということを含めて、総括的に話したいと思います。かなり大雑把になると思いますが、その点は御了解頂きたいと思います。細かい論点については、今後折りに触れて説明してゆくつもりです。

 お話するのは、以下のような四つの項目です。一番目に、安倍政権の成立でシナ人による対日精神侵略は完成したこと。何故私がそう考えるのかを説明します。二番目に日本の悲惨な現状を齎した根本的原因は、民族意識の喪失にあること。三番目に、現在の世界は正義が踏みにじられた腐敗した世界であること。その理由は中華人民共和国という現実の侵略国家が野放しにされ、侵略行為が黙認されているということです。四番目に、それでは我々はどうしたら良いのか。具体的に何を為すべきかを話したいと思います。

まず一番初めの精神侵略の完成ということですが、我国に降りかかっている歴史問題の本質を、日本人は殆ど正確に理解していません。その本質は今問題になっている苛め問題と、根本では全く変わりません。個人の問題であれ、国家の問題であれ、そこで働いている原理は同じなのです。苛めることによって精神的に優越感を得る。それで相手を屈伏させる。また名古屋の中学生が苛められて五千何百万円も恐喝されたことがありましたが、それと同じことが国家間で行われていて、汚名を着せられているだけでなく、日本は色々な形で経済的にも搾取されている。つまり歴史問題は、意図的な偏見であり差別・迫害です。そのことを、日本人はまことに愚かなことに、正確に理解していない。さらに言えば、それは精神に対するテロ行為、精神に対する侵略なのです。

歴史問題というのは、シナ人がずっと以前から準備、用意してきた、日本に対する思想戦・宣伝戦・情報戦・心理戦、すなわち意識の戦いです。それは日中戦争当時にはあったとしても、日本の敗戦によって終結したと考えられています。しかしそれは戦後も一貫して続いているのです。他人を陥れることにかけては、世界広しといえども、シナ人の右に出るものはいません。彼らの得意中の得意です。シナの歴史は幾ら長いといっても、それは騙しあい殺し合いの歴史です。

現在の歴史問題にも、それなりの歴史があります。基本的には一九七二年の田中拙速外交によって、「日中共同声明」の中に歴史問題が盛り込まれ、一九七八年に福田内閣の時に「日中平和友好条約」が結ばれ、その中にも入れられました。そのようにしっかりと準備しておいて歴史問題を爆発させたのが、「侵略」を「進出」に書き換えさせたとのデマに基く、一九八二年の「第一次教科書事件」です。この真相は未だに解明されていませんが、明らかに意図的な謀略でしょう。さらに一九八六年の第二次教科書事件、中曾根首相の靖国参拝問題、慰安婦問題、化学兵器の処理問題、七三一部隊の問題等々と次々と出してきて、ずっと日本を脅迫し続けてきたわけです。

その過程で河野談話、村山談話があり、一九九八年の小渕首相と江沢民との「日中共同宣言」があります。「日中共同声明」と「日中平和友好条約」と、「日中共同宣言」、これは全て外交の公式文書であって、その中に歴史問題が日中お互いに確認した形で盛り込まれているわけです。河野談話、村山談話は日本人が一方的に出したものですが、これらがずっと効力を発揮してきた。そのなかで小泉首相が唯一靖国問題で抵抗したわけです。ただし小泉さんも村山談話は継承するようなことを言ったわけですが、とにかく靖国神社参拝で最後まで頑張った。

ところで今度は安倍首相ですが、就任以前は立派なことを次々と言っていたのですが、たちまち変節してしまいました。ただしすでに官房長官の時に村山談話を継承すると九月の上旬に言っているし、靖国問題を曖昧化するという点では、四月十五日に表立たない形で靖国参拝したということですから、この変節ドラマはかなり前から計画されていたものでしょう。

就任以後は、国会の所信表明演説、中共・韓国への訪問によって、その変節振りが極めて明らかになった。私は以前から精神侵略というのはほぼ完成したと考えていましたが、小泉さんの靖国参拝で首の皮一枚で繋がっていた。しかし安倍外交によってシナ人の対日精神侵略は、百パーセント完成したと判断せざるを得ません。問題は一番最初が肝心なので、これだけだらしなく屈服してしまったら、もう取り返しのつけようが無いと思います。ずっと続いてきたシナ人の精神的侵略を断ち切る絶好のチャンスだったのに、ものの見事に失敗した。中共・韓国への訪問は外交的成功だと、保守派の言論人もそういうこと言っていますけれども、そんなことはある筈がないと思います。

日本の過去を追求するのは特定アジア、中共・韓国・北朝鮮の限られた国々だと言われていましたが、これからはますますそうではなくなるでしょう。既にロシアが彼らの側に立っている。アメリカも歴史問題をちらつかせている。最近朝日新聞(平成十八年十二月五日)にドイツのシュミット前首相のインタビューが載っておりました。ドイツは同じ敗戦国であるにも拘らず、日本に対して歴史問題について、シュミットは実に悪辣・卑劣なことを言っています。歴史問題はこれで片付くような問題ではなくて、これからも繰り返し繰り返し、日本を押さえつけるために使われることは間違いない。こういうことをやられ、放置していたら、何時までたっても日本の精神力は回復しないでしょう。

日本に対する歴史問題を利用した精神的な圧迫というのは、主としてシナ人が演じているのですが、シナ人は歴史問題だけでなくて、あらゆる面において凶悪な精神的圧迫を日本に加えている。シナ人が何をやってもそれに対して強く出られないという関係が既に出来上がっております。これは領土領海への侵犯問題はもちろん、経済問題、例えば日本の特許権の侵害、偽物を作られるとか、ヤオハンが出かけて行って丸裸にされて追い返されるとか、重大な問題が多くあるにも拘らず、それが伏せられたままです。

日本人は環境問題に敏感な筈なのですが、現在は中華人民共和国が環境破壊の超大国です。中共国内だけであればまだよいのですが、そこで起こった公害は偏西風によって日本にやってくるのです。日本の天気は西から東に向かって変わります。現在も既に酸性雨など中共の公害が日本に来ているのですが、民間でも政府でも知っている筈なのに、公にされていません。また食品の安全問題があります。アメリカに対しては狂牛病で牛肉は危険だとマスコミが騒ぎます。中共から輸入している食品は数限りなくありますが、どれだけ安全なのか報道されません。それをだまって食べさせられている。農薬に関する基準を引き上げたら、急に輸入量が大幅に減ってしまったそうですが、その後どうなっているのか不明です。中共の痩せ薬で何人か日本人が死んでいます。殺されたのです。しかしその被害者の実名が明らかにされません。被害者があったら実名が出てきてもおかしくないでしょう。もし狂牛病でそういうことが起こったら、大騒ぎになるに違いない。これは、シナ人がやることに対しては、文句が言えないでいるわけです。そういう状況が更に歴史問題を中心とした精神的侵略で、完全に完成したのではないか。日本人はシナ人にどんな悪いことをされても、それを見ざる、言わざる、聞かざる状態ですから、私はそれを「対シナ三猿主義」と表現することにしています。孫文は「三民主義」ですが。(笑い)

【日本の惨状は左翼史観ではなくナショナリズムの欠如】

 二番目は民族意識の喪失です。現在の日本人は自己主張が出来ない。そもそも自分がないのですから、自己主張が出来るわけがありません。日本人は民族としては、完全に自己喪失状態です。自己主張が出来ないのですから、国家戦略など立てようがありません。そうなってしまうのは、現実の日本の悲惨な状況を、全く理解出来ていないからです。マインドコントロールされている状況は、ずっと続いていると思います。というよりも更に深まっているのではないか。

シナ人による歴史問題を遡れば、結局は東京裁判史観です。勿論アメリカが作ったものですが、しかし現在のところこれを最も有効に利用しているのは、シナ人であり中華人民共和国だということになります。日本がマインドコントロールされているのは、東京裁判に基く歴史問題だけではありません。国際化の脅迫観念と言うのもあります。「日本は国際化しなければならない、そういう面では非常に遅れている」と口やかましく言われました。これを朝日新聞が最も強く言っていたと思います。文部省もそれをまともに受け入れ、大学に国際学部などをたくさん増設させた。外国人の留学生とともに、外国人の教員も国立大学でどんどん受け入れるようになっている。それが国際化ですけれども、国際化の美名も日本人をマインドコントロールして自分を失わせるには、極めて有効に作用したと思います。日本がマインドコントロールされているのは、実に多岐にわたっており、東京裁判史観、歴史問題ばかりではないのです。

現在日本が精神的にやられている相手は、主としてシナ人ですが、アメリカ人にも同時に相当深刻にやられているのです。日本の経済がこれだけおかしくなって、自殺者が二万人単位から三万人単位に急増したのは、平成十年(一九九八)からです。バブルの発生と崩壊はそれ以前のことですが、日本の一人当たりの国民総生産が減少するようになるのは、ちょうどその頃からです。自殺者が急増した原因は明らかに経済問題であり、それはアメリカにしてやられたのだと思います。私は二年半ほど前(平成十六年七月に「神社新報」という神社界の業界紙で「自殺者は日米経済戦争の犠牲者だ」と書いたのですが、例によって殆ど反響がありませんでした。(笑い)私は日本の自殺者というのはアメリカの経済テロで殺されているようなものだと思います。九・一一テロの犠牲者は三千人に達しませんが、日本はアメリカが仕掛けた経済テロで、平成十年以後毎年一万人も殺されていると、客観的に考えるとそういうことになります。

 つまり現在の日本は、間抜け(知力がない)、腑抜け(精神力がない)、腰抜け(行動力がない)の三抜け状態、そういう状態に陥っています。自覚のない精神奴隷の状態だと思います。精神奴隷というのは普通の奴隷と比べてどこが違うのか。精神奴隷の方が恐ろしいのです。それは自分が奴隷であるという自覚がないからです。それに対して労働奴隷というのは自分が奴隷である、こき使われているということを分かっている。例えば古代ローマ帝国の時代、スパルタカスの反乱(紀元前七三〜七一)という有名な奴隷の大反乱がありました。労働奴隷は何故反乱を起こせるかといえば、自分が奴隷だということを自覚しているから反乱を起こせるのです。精神奴隷の恐ろしいところは自覚がないから、反乱を起こす発想すら出てこないのです。

今の日本はこうした精神的奴隷状態だと思います。では何故このような、悲惨極まる状況になってしまったのか。保守・民族派の人達は、左翼共産主義が問題だという見方をしばしばします。私は昔からそれは違うのではないかと考えてきました。すぐに左翼、共産主義が原因にされますが、こうなってしまった根本的原因は、日本人に民族意識が無くなってきたから、ナショナリズムの欠如こそ問題ではないかと考えています。

例えば日本のカトリック教会は、ここ二、三十年、非常に反日的・虐日的になってきました。靖国神社の参拝は勿論反対し、カトリックの学校に日の丸を使わないように指令を出しますし、新しい歴史教科書を採用してはいけないと、実に反日的になってきています。プロテスタントの方はもっと早く、戦後そうした反日傾向を見せていたのですが、カトリックは比較的近年そういうふうになってきました。それはカトリックに共産思想が忍び込んできたのだと説明されるのですが、私はそうではないと思います。日本のカトリックが、歴史問題に虐日的な傾向を示すのは下端の神父とかそういう人達ではありません。トップの最高幹部である司教、枢機卿、そういう人達が歴史問題に関して、虐日的・反日的態度を示しているわけです。これは日本人としての自覚、民族意識がそういう人達から消えているからです。

戦後であっても世の中の潮流は、社会全体としてはまだまだ戦前の精神的遺産を残していた。それが戦前の遺産が途切れて戦後教育が浸透し、国際化ということも影響してきて、日本人の民族意識が雲散霧消するように消えて無くなった。そのために日本のカトリックの最高幹部の人達が、平気で日本の悪口を言えるようになったのです。戦前はキリスト教徒といえども、こんな反日的なことはなかった。内村鑑三・新渡戸稲造といった戦前の日本人キリスト教徒は、民族意識をしっかり持っていたので、そういうことはありえなかった。また中曾根元首相の言動をみると、中曾根さんが共産主義思想に染まってきたわけではないでしょう。彼は自分がナショナリストということを売り物にしていましたが、ナショナリストとして本物ではなかっただけです。偽物のナショナリストだったのです。

つまり基本的に日本人自身の民族的自覚に問題があるのです。世界を見てみると民族主義と共産主義は、それほど矛盾したものではありません。むしろ両者は強固に結びついているものです。特に東アジアの場合に顕著であり、毛沢東、ホーチミン、それに北朝鮮にしても、明らかに強烈な民族主義です。韓国が北朝鮮に靡いていくのは何故かというと、韓国が共産主義思想に染まってきたのではなくて、北朝鮮の強烈な民族主義に引き寄せられたと考えた方が自然だと思います。

そもそも「日本人」という言葉には大きく分けて二つの意味があります。一つは「日本国民」、もう一つは「日本民族」という二つの意味です。日本国民とは、日本と言う国家の国籍を有する人々です。現在は国際化した時代ですから、日本に来て日本国籍を持った外国人も増えていますが、それは「〜系日本人」と言います。

それとは違って日本民族というのは昔から日本にいた人間の子孫であって、民族というのは文化的な集団、風俗とか習慣を共有している集団です。文化の中心は言語です。普通民族という場合には、例えば日本だったら日本語を母国語として育った人間、それが日本民族です。民族を研究する学問を民族学と昔は言っていました。戦後になると文化人類学という言い方になりました。これはアメリカ流の言い方です。戦前の民族学と戦後の文化人類学は基本的に同じですから、民族というのは文化的な集団、特に言語に基いた集団だと考えていいと思います。

そうは言っても徹底的に民族というものを考えた場合、最終的には意識に依存するしかありません。「自分が何民族として生きて行きたいのか」というアイデンティティです。民族というのは最終的には意識の問題となります。血筋が日本でなくても、肌の色が白くても黒くても、母国語が日本語でなくとも、「自分は日本人として生きていく」という決意、覚悟がある人間が日本民族だと言うことになります。最終的にはそういうふうに言わざるを得ません。これを逆から考えると、どうゆうことになるでしょうか。血統的に純粋の日本人であり、日本語を母国語とする日本人であっても、「日本民族として生きていこう」というアイデンティティ、日本人としての自覚がなければ、その人間は本物の日本民族とは言えないということになるのです。

現在の日本には所謂日本人は沢山おります。日本はまだまだ人口大国です。しかし日本民族でない日本人がどんどん増殖している。それが私の言う民族意識の喪失です。一応日本民族ということになっているけれども、実は中身が日本民族でなくなっている人間が世の中にはびこってしまった。普通の庶民として存在するだけではなく、国家の中枢に入りこんでいる。政治家・官僚・財界人・学者・報道人・宗教家、そういう社会のリーダーの中にすら、民族意識なき日本人が大量に増えている。

例えば河野洋平さんは典型的な例であります。日本民族としての意識があれば、河野談話などは出てくる筈が無い。最近、右の人々の間でよく言われるのは池田大作さんや土井たか子さんについて、「あれは本来日本人じゃない。だから排日的・虐日的な言動をするのだ」と説明されています。もし池田さん、土井さん、その他諸々の虐日的な人達が外国起源だとしても、そういう人達は日本の国籍をもって日本国民になっているわけです。日本国民になりながら、しかも本来のルーツによる民族意識を捨てていないということになります。これは客観的に見れば、極めて立派なことだと言わざるを得ません。生粋の日本人でありながら日本民族たる意識を喪失した人間が、わが国では続々と誕生しているのに、まことに見上げたものです。

民族意識の強固さと言うことでは、アメリカの日系人とシナ系・朝鮮系の人間を比較して見てればよく分かります。アイリス・チャンはシナ系の人間です。何故あれだけ反日、虐日に熱心なのか。彼女はアメリカ在住の共産主義者だからではなく、根本的にシナ人だからです。シナ人の民族意識を持ち続けている。それに対して日系のアメリカ人の中には、反日・虐日の動きに賛同して、一緒になって活動している議員もいるようです。アメリカに行って日系人となった日本人は、民族意識を無くしているのですが、シナ人・朝鮮人は外国へ行って外国籍になりながら、まだ民族意識を保持しているのです。

【シナ侵略主義の真髄は民族絶滅】

 三番目の現代世界の腐敗の根源、黙認されるシナ人の侵略のところです。シナ人は何故精神侵略を行うのか。それは日本人を精神的に抑圧すると、経済的にも外交交渉でも優位な立場に立てるのは勿論なのですが、最終的な目的は何なのかということです。それは日本を軍事侵略することです。その準備段階として精神的な地ならしをしておく、そのことが精神侵略の真の目的です。

私は以前からシナ人による対日侵略の三段階論ということを言ってきました。第一段階は精神的な侵略であり、第二段階は人口的侵略、つまりシナ人を大量に日本に送り込んでくる。それから第三段階の最終的な仕上げとして、軍事的侵略があるということです。

人口侵略というのは人口的に日本を制圧していくということです。これは国際化の問題と絡んでいますが、日本は外国人を多く受け入れて国際化すべきだと、以前から朝日新聞が盛んに言っています。また外国人の参政権問題があり、小渕首相の時の懇談会で外国人留学生には自動的に永住権を与えるという答申をしたことがある。これは小渕首相が急死して実現しておりません。ただし国際化の中でシナ人の人口がどんどん増えている。現在一番多いのは朝鮮・韓国系ですが、急速に伸びてきているのはシナ人です。間もなく日本における最大の外国人はシナ人になるのは間違いありません。人口侵略というのは日米安保条約があっても防げない。あからさまな軍事侵略だったら安保条約で防げるかもしれませんが、人口侵略は合法的に行われているわけです。日米安保条約があっても防げないから、どんどん進行して行きます。

一方で軍事面では、アメリカは基本的に衰弱し、そして撤退していくと思います。その時に日本が現在のままの白痴状態であるならば、必ず軍事的空白を埋めるためにシナ人の軍隊がやって来るでしょう。その時にまず在日シナ人が暴動みたいなものを起す。それを日本が鎮圧しようとすると、居留民保護という名目でシナ人の軍隊がやってくる可能性が極めて高い。それが軍事侵略の突破口になる。

 そもそも中共は現実の侵略国家であり、シナ人は侵略現行犯民族です。これは歴史的に見てまぎれもない真実です。現在の中華人民共和国というのは、日本の江戸時代から明治時代にかけて存在した、巨大な清帝国を再建したものです。二十世紀までは世界には数々の帝国がありました。清帝国はもちろん、オスマントルコ帝国、ロシア帝国、ドイツ帝国、オーストリア帝国、植民地帝国の大英国帝国、小規模ながら大日本帝国もありました。そういう帝国は、民族自決・民族独立の歴史の潮流の中で、解体され消滅していったのですが、現在唯一残っている帝国が中共です。この中共帝国は今も不当にも生き延びてしまっている。

清の前、明の時代の領土は中華人民共和国の三分の一から四分の一位でずっと小さかった。清は満州人がつくった王朝であり、満州人の軍事力によって清と言う大帝国をつくったのです。それが、一九一一年の辛亥革命で清帝国が滅亡した時点で一旦分解した。それでチベット、モンゴル、東トルキスタンが、基本的に独立したのですが、中華人民共和国が出来た段階で強大な軍事力を持つことにより、南モンゴル、チベット、東トルキスタンを再侵略し、今の中華人民共和国ができました。但しその時に併合されなかったのが現在のモンゴル(北モンゴル)です。北モンゴルが何故併合されなかったかというと、ソ連の衛星国になっていたからです。毛沢東もソ連の軍隊がいたので軍事併合出来ずモンゴルが残っているのです。シナ人が将来的には併合しようと考えているのは、当然予想されることです。

その中華人民共和国の侵略を正当化するイデオロギーが中華民族主義です。簡単に言えば、中華人民共和国は多民族国家だが、中華民族としては単一民族国家だという論法です。つまり民族概念が、二重構造に成っているのです。素晴らしい論法ですね。孫文の民族主義の中にも書いてあるのですが、一応多民族国家であるけれども、中華民族としては単一民族国家であるから、シナ人以外の民族は独立する必要はない、してはいけないという論法です。歴史的に見ると無茶苦茶な論理なのですが、それを現在も主張しております。またそれを世界中が黙認しているわけです。

民族独立・民族自決というのは世界の近代史における基本的な流れであって歴史の必然なのです。歴史には進歩する方向というのがある。日本は免れていたけれども、昔はヨーロッパ人によって世界中が植民地化され侵略されていた。しかし、第一次大戦の後でヨーロッパに民族自決・民族独立という原則が適用されて、東ヨーロッパにロシア帝国・オーストリア帝国・ドイツ帝国から、色々な民族の八つの国が一挙に、第一次世界大戦の後ベルサイユ講和会議で独立したわけです。すなわち北から、フィンランド、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、セルブクロアートスロベーヌ(ユーゴスラビア)です。ところが第一次大戦の後ではアジアに対しては民族自決、民族独立は適用されませんでした。イギリスやフランス、これらの国は植民地大国ですから、植民地民族を独立させるようなことはしなかった。それは歴史から見て極めて不自然なことでした。しかし大東亜戦争でアジアが戦場になることによって、その過程のなかで日本が植民地に対して独立を与え、フィリッピン・ビルマの独立を戦争中に承認しました。戦後民族独立の気運が高まり、東南アジアの国々やインドが、四〇年代から五〇年代にかけて独立するわけです。その影響を受けてアフリカが一九六〇年代にかけて続々と独立していった。

このように民族自決・民族独立が世界的な潮流なのですが、ただし第二次大戦後も二つの帝国、多くの民族を支配下におくソ連と中共が残った。ソ連はロシア帝国が共産化したもので多民族国家でした。ところがソ連が一九九〇年代の初め九一年に解体しまして、ソ連の中にあった十五の構成共和国がそれぞれ独立しました。それはエストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国、東欧のベラルーシ・ウクライナ・モルドヴァ、コーカサス地方のグルジア・アルメニア・アゼルバイジャンの三カ国、中央アジアではカザフスタン・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタンの五つのトルコ系のイスラム国家が独立しました。ただしロシア帝国は大規模なものでしたから、まだ民族問題がチェチェンなどで残っております。

ソ連が解体しただけでなくユーゴスラビアも、スロベニア・クロアチア・ボスニアヘルツェゴビナ・セルビアモンテネグロ・マケドニアの五つに分かれて解体しました。セルビアとモンテネグロも、最近更に分離しました。そうするとユーゴスラビアはこの十数年の間に六つの国に分かれたわけです。チェコとスロバキアも民族分離した。

ヨーロッパでは民族自決、民族独立が貫徹しているにも拘らず、東アジアではその動きが全く抑えられています。問題は欧米白人がシナ人の侵略支配、中共帝国を認めてしまっていることです。私はこれが根本的問題だと思います。ソ連が解体したらその次は中共帝国をアメリカは解体しなければならないのです。世界の警察を自称するアメリカの責務なのです。その責務を放棄している。現在世界が抱えている最大の不正義は、テロよりも中共帝国の存在だと思います。テロと言うなら、シナ人が行っている侵略こそ、最高・最大のテロです。アメリカは北朝鮮などを悪の枢軸と言って、小物ばかりを批難するのですが、中共は完全な悪の帝国に関らずやりたい放題にさせている。警察官が暴力団と癒着しているようなものです。かつてレーガン大統領がソ連のことを「悪の帝国」だと言っていました。ソ連は解体されて民主化されました。にもかかわらず中共帝国は厳然と存続している。これが、現在世界が抱えている最大の解決すべき課題です。

シナ人の侵略主義は単にその国を征服するだけではなくて、更に徹底してそこに住んでいる民族を消滅させるというが最大の特徴です。かつてポーランドは十八世紀の後半にドイツ人とロシア人によって分割、征服され消滅したのです。それが第一次大戦後に復活した。但しヒットラーとスターリンによって第二次大戦中に更に征服され分割されたのですが、第二次大戦後に又ポーランドとして生き返るというように、侵略されても甦る民族も存在します。しかしシナ人の場合は単に征服するだけでなくその中の民族をシナ化させる、同化させるのです。これは孫文の「三民主義」の民族主義の中にはっきり書いてあります。ナチスドイツの民族絶滅とやっていることは同じです。ただしガス室を使用せず、シナ人の大量移民という形で、少数民族を消化吸収して消滅させる方式をとっているわけです。これは現在の中華人民共和国の国内で現実に進行している事実です。

つまり中共という現実の侵略国家により、日本人が歴史問題で恐喝されて反省を繰り返しているわけですから、客観的に見れば滑稽極まりない漫画みたいなものです。現実の強盗に「お前は昔強盗をしたじゃないか」と脅されているという図式でありまして、今の日本が如何に異常であるかの何よりの証拠です。日本民族は世界中に、不様極まりない醜態をさらけ出しているのです。

今やシナ人は、日本に侵略の標的を完全に定めた、と私は判断します。中華人民共和国と日本が国交を成立してから、来年で三十五年になります。この間日本の対中共外交は、完全なる失敗に終始しました。日本人がシナ人に対して情報戦・思想戦で全く反撃しないから、日本は完全に腑抜けな民族だと認識され、その日本の腑抜け振りが、シナ人の日本侵略意欲を、いやが上にもそそるのです。日本人がこれだけ精神的にだらしなくなっていれば、精神侵略のみならず、人口侵略も最終的には軍事的侵略も可能だという確信を、シナ人に植え付けてしまった。中華人民共和国のトップの人達はそのように判断していると思いますし、そうした国家戦略を明確にたてているのは間違いありません。十年程以前、当時の李鵬首相がオーストラリアの首相に会った時に「日本は二十年か、三十年位したら無くなる」と言いました。その意味は我々シナ人が日本を併合して消滅させるということです。日本人はその発言がなされた段階で、正面から反発する発想、憤る気概がないのです。

【史上最大の国難ゆえに国士の生き甲斐あり】

 第四番目は、ではどうしたらよいのか、何をなすべきかということです。それは、あらゆる意味で日本は自存・自立を目指さなければいけない。もちろん軍事的な自立もそうです。アメリカに頼っているだけでは駄目なことは明らかです。シナ人による侵略の順序としては、チベット、台湾、日本だと考えます。チベットはもう侵略されている。台湾はこれからまさにシナ人が侵略しようとしています。軍事的に侵略すると明言しています。それに対してアメリカは台湾を見捨てるような態度です。ゆくゆくは、アメリカは台湾と同じように日本を見捨ててもおかしくないと思います。日本はアメリカが見捨てることはあり得ないと考える人がいるかもしれませんが、私はそうではないと思う。それほど日本は特別な存在なのでしょうか。

先ほど述べたように、シナ人が日本を軍事侵略するということは、絶対に起こると思います。シナ人は世界覇権を目指しています。少なくともアジア・太平洋に覇を唱えるということは考えています。明らかに色々な兆候からしてそうです。太平洋を制圧する為には台湾は勿論必要だが、最終的には不沈空母の日本が必要です。そういう意味で日本を軍事侵略するということは全く当然の発想ではないか。何度でも言いますが、中共は現実の侵略国家であり、シナ人は侵略現行犯民族です。侵略国家・侵略民族が更なる侵略に乗り出すのは当たり前のことで、それを警戒しないのは底なしの馬鹿なのです。そもそも、日本は過去を反省していないから、今後同じ過ちを犯すに違いないと言われているくらいですから。

シナ人の侵略を防ぐためには日本人を精神奴隷の状態から解放し、大和魂を復活し、民族意識を再生しなければならない。それがナショナリズムになるのです。日本にこそナショナリズムが必要なのです。ナショナリズムはどういう時に自覚されるかというと、民族・国家規模の危機においてである。危機をもたらしている敵を明確に認識して、真っ向から対決して闘う、相手と闘う姿勢を固持する。攻撃が最大の防御です。防御ばかりやっていても駄目なのです。私が右の業界の人達に対して一番疑問に思うのは、さまざまな歴史関係の問題、例えば南京問題・慰安婦問題などで、そういうことは無かったと一生懸命説明していることです。説明・説得すること自体は、ある程度必要かもしれなせんが、それだけでは駄目です。特に日本を真っ向から責め立てている敵に対していくら説明・説得しても、相手は聞く耳を全然持っていません。そもそも、シナ人の支配者達は靖国問題などどうでもいいことだと思っている。日本を攻撃する材料として使えるとなれば、ありとあらゆることを捏造して攻撃してくるのです。暴力団の因縁と同じです。したがって相手に対して直接的な反撃、攻撃を行わなければなりません。

日本の敵の中で、主敵は明らかにシナ人です。主敵に従っている従敵は虐日日本人です。反日日本人という表現がありますが、弱すぎるので私は虐日日本人といいます。右の業界の人々から、シナ人より虐日日本人が一番悪いと言う主張を、しばしば聞きますが、そうではありません。虐日日本人は、シナ人の手先です。

何故虐日日本人が出てくるかというと、ドメスティックバイオレンスの考え方が非常に役に立つと考えます。今は親が子供を殺したり、子供が親を殺したり、乱暴したりしている。これをドメスティックバイオレンスと言いますが、家族意識が崩壊しているから家庭内で暴力を振るう。それと同じで民族意識、国家意識が消滅しているから、日本人が日本人を迫害することが平気で出来るのです。それを外から見ると、一見迫害している側が反省しているように見えるのです。大江健三郎さん、加藤周一さん、朝日新聞にしても、日本人を一生懸命貶め攻撃しますね。私は以前、松井やよりさんを、「精神のテロリスト」だと表現したことがありますが、これは精神的なテロ、暴力です。そういう人間が日本に大量に出現している。民族意識が崩壊しているのです。

教科書事件以来、朝鮮人もシナ人の手先になって日本を攻撃してきました。さらにロシア人がそうなって来たように、世界中で日本を操作する時に、歴史問題を使うのが有効だと考えれば、アメリカもヨーロッパも、ドイツ人も明らかにそうします。ドイツ人が何故日本を攻撃するか。そうすれば自分達の罪が、相対的に非常に軽くなるからです。我々が反省しているのに日本人は全然反省していない。同じ戦争の過ちを犯した者であってもドイツ人は立派だが日本人は駄目だという言い方が出来るわけです。このような流れ傾向は、今後世界でもっと顕著に出てくる可能性が大いにあり得ます。それは日本が余りにもシナ人・朝鮮人の攻撃に、唯々諾々と屈従しているからです。

まずしなければならないのは、敵を敵として正確に認識することです。つまり敵視することです。日本の真の敵はシナ人なのですから、シナ人を徹底的に心の底から敵視しなければなりません。こういうと殆どの日本人は腰が引けてしまうかもしれませんが、全く遠慮する必要はありません。それでも遠慮する人には、いい事を教えてあげましょう。在日シナ人作家モー・バンフ(莫邦富)は、一九九七年二月九日の朝日新聞で、日本人に対して「相手を敵と見ることはイコール相手に敵と見なされることだ」とぬけぬけと明言しています。つまり昨年の官製虐日暴動などで、散々日本を敵視しまくったシナ人を敵視することに、全く問題はないのです。

では具体的にはどうするか、何を為すべきか。シナ人の最大の弱点を衝けばいいのです。シナ人の最大の弱点とは、シナ人は侵略の現行犯だということです。かつて侵略した前科がある、侵略の前科者だという話ではありません。現役ばりばりの現行犯なのです。しかも単に侵略しているだけでなく、中共国内の色々な「少数民族」を絶滅させるという、ナチスドイツにも匹敵するような犯罪を仕出かしている。その侵略の現行犯であるシナ人を告発して糾弾する。それが一番効果的なのです。シナ侵略主義の打倒撲滅です。シナ人に向かって、「シナ人よ、お前こそ侵略現行犯だ」「シナ人は侵略を止めよ、厳命する」と、機会あるごとに言ってあげるのです。とくにシナ人の侵略イデオロギーがあって、それによって中華人民共和国の存在が正当化されている。したがって今現在行われている侵略を止めさせて、中華人民共和国と言う名前の中共帝国を解体・民主化し、さらにシナ人の侵略イデオロギーを撲滅し、その犯罪の歴史を反省し謝罪させる。それを日本人が率先してやるべきで、やらなければならないのです。我々日本人はシナ人から、言われ無き偏見・差別・迫害を散々受けているわけですから、それに対して闘う権利を持っているのです。しかもシナ人の侵略を糾弾することは、世界の歴史の流れから見て、紛れもない絶対的な正義です。

先ほど述べたように、シナ・中共の巨悪をアメリカが黙認している。アメリカの言っていること、やっていることは常に正しいのか。そういうことはありません。世界の歴史の正しい流れ、発展の方向、進歩の方向があるのです。これを日本人が勇気を持って言えばいいのです。ほんらいならば、政治家・学者・報道人・財界人など、社会のリーダーが言わなければならないのですが、現状では全く期待できません。民族意識を強固に持った人間が、先頭に立って言っていかなければいけないということです。シナ人が侵略の現行犯だという告発は、虐日日本人や朝鮮人、そういう人達に対する痛烈な批判にもなるのです。さらに欧米白人への批判としても極めて有効です。「日本が過去の歴史を反省していないのはけしからん」という人達に対して、「シナ人は現実に侵略をしているじゃないか。それをあなた達は黙認するのか。目を瞑るのか」ということをはっきり突きつけるのです。そうすればこういう人達も考え方が変わるかもしれない。少なくとも変わるきっかけになるに違いない。そうしなければ、「日本人だけが過去を反省しない民族だ」という、シナ人・朝鮮人・虐日日本人が捏造したとんでもないデマが、世界中に普及してしまうでしょう。

そういう運動・取り組みを、我々はまだまだ殆どやっていない。戦後の日本は、シナ人の対日工作にやられ続けています。国交正常化と言う名前の国交異常化が一九七二年、第一次教科書事件が八二年、丁度十年後です。それから二十四年も経っている。もう四半世紀です。その間ずっとやられっぱなしで、安倍さんが本当にたて直してくれるのかと思っていたら、物の見事に屈服してしまった。今のままでは、日本人に対する精神侵略は、完全に定着してしまいます。繰り返しますが、馬鹿正直に弁解ばかりしていては駄目なのです。日本の真の敵であるシナ人の脳天に強烈な一撃を与えるような活動が、絶対に必要なのです。そしてそれには、彼らの侵略現行犯を告発・糾弾するという、極めて簡明な戦法があるのです。

 以上申し上げたように、少しも大げさではなく現在は歴史上最大の国難に直面している。日本の歴史は長いが、基本的に島国という地形で守られてきて、深刻な民族的な葛藤・相克を経験しないできました。つまり温室育ちで、ひ弱なのです。ただし明治維新が非常にうまく成功し、欧米以外では唯一の世界の強国になり、戦前の国際連盟の常任理事国になった。大東亜戦争で失敗したのは、明治維新後の歴史がうまくいきすぎた裏返しだと思います。世界のグローバ化は今まではほんの序章に過ぎず、これからもっともっと本格的に進展していきます。その時に日本人は民族として生き残れるのか。今のままでは全くおぼつかない。日本を併合し、日本民族を消滅させようと考えている人間が、我々の目の前に存在している。まぎれもなく歴史上始まって以来最大の国難です。

こう言うと、それでは余りにも救いようがない、自虐的だと言う方が、右派の人々の中にも結構いるのですが、現実がそうなのだから仕方がありません。恐れずに現実を直視すべきです。私はこの講演の中で、右派の論壇では殆ど触れられない、かなり重要なことを幾つも言っているつもりです。これから皆さん一人一人で、私が申し上げたことを、自分の考えとして練り直して、自分のものにして頂きたいと思います。自分の考えとしてしっかり身に付けてて、どんな形でもいいですから、世の中に発信して頂きたいのです。結局私が言いたいのは、「敵と戦わなければ滅びる」という、極めて単純な話です。皆さん一人一人が言論の戦士です。言論戦士として、日本の敵と徹底的に闘って頂きたい。戦国時代や明治維新、すなわち動乱の時代・国難の時代こそ、本当は生きがいのある時代なのです。歴史上最大の国難ということは、逆に言えばこれだけ生きがいのある時代はないということです。皆さんのこれからの御活躍をお祈りします。