仲間石垣市会議員です
【聞き手 西村修平】
>主権回復を目指す会は月に二回から三回、内輪の会で勉強会を開催していますが、今日は石垣市議会議員の仲間均議員に来て頂きました。仲間議員は先ほど七月三十日、尖閣諸島を視察されましたが、今日はこのことでお話しして頂きます。仲間均議員は平成六年に石垣市の市議会議員に当選されて、翌七年に早くも我国の固有の領土である尖閣諸島に上陸し、日本の主権を訴えるためにこれまで十三回の視察、上陸を行いました。そして我国固有の領土を広く日本国民に認識させるための活動をして来ています。この度七月三十日に石垣港から出航された視察の模様について、主権回復を目指す会の勉強会でこの話をして頂きたいと思います。仲間議員、よろしくお願いします。
【二十四時間、海保に監視される異常】
仲間:尖閣諸島は五つの島と三つの岩礁からなっております。石垣市の行政区域として明治十七年に古賀瀧四郎という方が調査探険をして、そこで生計をたてながら、明治二十八年に政府が閣議決定をして我国の領土となったわけです。しかしながら今は、近隣諸国との摩擦を生じさせないという理由で、国はそこへ近寄らせない、上陸させないということになっておりますが、石垣市の地元の議員として上陸してしっかりとした視察を行い、調査をしていくなかで国に、議員としての立場から進言をしていきたい信念でこれまで活動を展開して来ております。
>仲間さんは二十四時間、常に海上保安庁から監視されていると伺っていますが、それはどういうことなのでしょうか。
仲間:海上保安庁というのは(国民を)近寄らさない、近づかない、近づかせないという方針です。この方針は我が国の外務省の考え方に添った方針であって、海保はそれに従っています。近隣諸国と摩擦を生じさせないというのが国の考え方ですから、当然そういう(摩擦を起こす)活動をする私は、目の上のタン瘤ですから近づけさせないということで、監視をされているのではないかと思います。
>七月三十日午前八時に石垣港を出港されたわけですが、海上保安庁の船舶は密着して仲間さんの船を追跡して行ったわけですね。
仲間:何故午前八時にしたかというと、いつもは朝方あるいは夜中の十二時から午前二時にかけて出航するのですが、今回は非常に厳しくて、海上保安官が船の前に車を止めて警備をしており、二十四時間見張っているものですから直接船に乗れない。私が乗ろうとすると体をロープで縛って阻止しますから、私は別の所で待機していていました。四人だけ乗った船が石垣港の別の場所に私を迎えに来てくれ、その船に飛び乗って尖閣に行ったということです。
>なるほど、つまり相手を播くためにおとり船を使った訳ですね。今回、海上保安庁から尖閣諸島の領海の近辺で臨検を受けて上陸を阻止されたということですが、海上保安庁はどういう口実、理由でもって仲間さんの市議会議員としての視察を阻止したわけですか。
仲間:理由は「市議会議員だから漁民ではないですよ」ということです。私は、今回は漁労の調査、どのような魚がどれくらい採れるのかという漁労の目的と、島々の調査を考えていたのですが、尖閣諸島というものは中国との摩擦が非常に多い所で近隣諸国との摩擦を(外務省が)気にする所ですから、そういうところから上陸をさせないということで国が動き出したのだと思いますけどね。
【上からの命令が上陸阻止の理由】
>抽象的な理由で近隣諸国と摩擦を避けるということは分かりましたけれど、具体的に個別などのような理由と状況のなかで仲間さんの上陸を阻止したのですか。
仲間:二十海浬(三十七q)までは遊漁船としては認めますが、私は議員ですから二十海里を過ぎたら遊漁船ではないから「船舶犯罪法違反」で逮捕しますよということです。
>そうしたら、漁民ならば上陸できるということですか。
仲間:私は漁民として魚釣りも出来るわけです。漁民として魚釣りにも行きますけれど、議員としての立場もありますから、調査権もあるわけだから島の上陸も出来るだろうと私は思っているわけです。
>勿論仲間さんは論理でもって抗議したと思いますが、その整合性ある議論のまえで海保はどのような対応をするのですか。
仲間:彼等は「上からの命令ですから」としか言いませんが、外務省の強い圧力があるとはっきり言っています。
>当然、外務省は政権・政府を構成する省でありますから、内閣のトップからきていると理解していいですね。
仲間:実質的には、そこ(尖閣諸島)に上陸を認めないということは内閣の参事官から出ているという文章も読みました。その流れとして近隣諸国との摩擦を生じさせないというのが本音だと思いますよ。喧嘩をしたくないんだと、触らぬ神に祟りなしで、静かにしてくれ、というのが本音だと思うんです。
>政府の本音を拡大解釈すれば尖閣諸島だけではなく、近くの細かい島々までに支那が「これは我国の領土だ」と言う事態になった時、日本は摩擦を回避しては実質的に支那の意向に添って、国家主権を行使しないという肥大した解釈がどんどん広がっていく可能性がありますね。
仲間:それとは違うと思うんですね。昭和四十七年に中国船が百五十隻位来て「これは中国のものだ」と言って騒いだことがあります。その時に搶ャ平が「これは我々の時代には解決できないよ。孫の時代に解決しようじゃないか」ということが、今回その孫の時代になってきているんです。そういうことを勘案して、国は(解決しないで)そのままにしておこうというのが本音じゃないかと思うんです。しかし私からするとやっぱり自国の領土領域、しかも石垣島の行政区域、そこに石垣市の議員が上陸して、領海において漁労の調査をするのが何故悪いのかと思うんですよね。
【逮捕もしないシナ人の不法上陸】
>数年前に支那、香港、台湾の連中が尖閣諸島に上陸した時に日本政府は彼等を排除したが、その理由は何だったのですか。不法上陸だったのか、入管法違反だったのか。
仲間:上陸した時に入管法違反で追い返したということです。
>不法上陸ではなかったわけですか。領土侵犯は問わなかったのですか。
仲間:不法上陸ではなくて入管法違反です。そういうところは法治国家ですから、日本国家はしっかりと将来を見据えて駄目なものは駄目、いいものはいいとはっきり示さないと更に摩擦を生じる原因になるだろうと私は思いますけどね。
>あの時逮捕された支那人達は那覇警察署まで連行されましたね。
仲間:那覇警察署までかどうか分かりませんが、那覇に連れていってすぐ飛行機で追い返したと言っています。逮捕はしておりません。
>不法上陸を問わなかったのですね。その問題に関して石垣市の一般の方々の感情はどういうものなのですか。
仲間:矛盾を感じているところもあるわけですよ。しかし石垣市民と言うよりも日本国民が平和ボケしているわけだから、そういうことに対して無頓着であると。やっぱり国民が将来を見据えたしっかりした発言をし、確固とした態度をもって示していかないと、国や大臣に任せっきりではいかんと思うんですね。
>沖縄市議会では、百五十万円の尖閣諸島の調査費を計上したと聞いていますが。
仲間:一昨年平成十五年の六月市議会において、百五十万円の調査費用という形で市議会が議決をして予算が通っております。この予算がまだ生きておりますから、内閣府の方に上陸して調査したいと毎年要請文を出しているのですが、内閣府からは何の返事も未だに無いんです。
>石垣市が議会で予算を百五十万円承認して、それに基づいて石垣市の市議会議員が調査することに対して、内閣府に仲間さんを拘束する権限が法的にあるのでしょうか。
仲間:近隣諸国と摩擦を生じたくないということが根源にあるんですよ。
>一国民として到底納得できるような話ではないですね。
仲間:国はしっかりとした将来を見据えたことをやっておかないと本当になめられっぱなしではないかと思います。
【シナ人に有名な仲間均の愛国心】
>日本の中で、特に石垣市で尖閣諸島の問題を選挙公約の筆頭に掲げて戦っているのが仲間さんですが。
仲間:選挙でみんなが応援してくれるから議員になれるので、選挙に勝つためにやるのではなくて、石垣島の中にある尖閣諸島をどうするかです。私は尖閣諸島の中にある鰹節工場とか、今まで人が住んだ形跡とかを後世に残してもらいたいんですよ。それを文化財に指定するなど、そこに観光客を誘致してきちんと日本の領土であるということを見せないと日本国民は分からないのではないかと。今の国政の議員は尖閣諸島の現状の勉強を全くやってないんですよ。ですから自分たちの領土なのかどうかも分からない。ある議員が言っていましたが、「尖閣諸島は国際裁判に委るべきだ」と。それは出来ないんですよ。我々の行政区域に対して何故相手(支那)がそういう発言をするのか、国民の代表の議員が既に平和ボケしているのだと思っています。
>特に台湾人とか支那人は自己主張をしない人間を非常に軽蔑し、主義主張は異なっても自らの信念を訴え、主張をする人を高く評価すると聞きます。シナ、台湾、香港で仲間議員の名前は有名と聞きますが。
仲間:「愛国心があるのが仲間均」だという声は聞こえてきますけれどね。(笑い)それだけ日本国民の愛国心が遅れているのではないかということを示唆しているのじゃないかと思います。私自身が選挙に勝たしてもらったから、こうした活動が出来るわけですから、漁船の予算を計上したり、港湾の整備の予算を獲得したり、尖閣諸島に関してどうしたらいいのかと聞かれたりするわけですから、尖閣という領土の問題をしながら石垣市の行政区域のことをしっかりやっていきたいと思います。
>海保の哨戒機は石垣島を出航するときからずっと追跡するのですか?
仲間:今回もそうだが、私が尖閣諸島周辺に来て、本船から無線で海保に連絡するわけです。そうするともう二十分以内に飛行機は上空に来ている。
>仲間さんの何を調べるのですか。場所は尖閣諸島に近付いた所で臨検するのですか。
仲間:臨検と言いまして船に何を積んでいるのか、どういう物を隠しているのか、我々が違法行為をしているのではないかということから、臨検しているわけです。魚釣島の約五キロ範囲内の所で拘束されましたから。その辺ですよね、自国の領土領海にいて何故拘束されるのかという思いを強くします。
【仲間議員を支える同志の不屈】
>仲間さんの船には他にどのような方が乗船しているのですか。
仲間:船の船長は吉浜善助さんと言って宮古の伊良部島の漁民の方で私の支持者であります。また川満康之さんという船長、私の秘書的な人。そういう皆さんが私をバックアップしてくれています。
>皆さんが仲間さんの主義主張に賛同されている、ある意味では同志ですね。
仲間 :同志でないとまず無理です。今回取調べを受けて、みんな五時間も海上で拘束されています。それで嫌気が差して止めると思ったら大間違いです。また行きますから。
>臨検・拘束の時、同船した皆さんの表情はどうですか。
仲間:やっぱり「又か、止めてくれ」というような顔をしていますね。でも海保は止めませんから。
>具体的に臨検は何時間くらい行うのですか。船の船長に一番責任がありますよね、船長に対する海上保安庁の対応はどういうものですか。
仲間:本船(巡視船)に船長を乗船させて五時間の取調べをします。
>船の上で五時間ですか。かなりの拘束時間だ。上陸の妨害、嫌がらせですね
仲間 :また石垣島に戻るとなれば、帰りは夜中ですから島も見えません。上陸どころか、あとは帰るだけになってしまうんですよね。
>仲間さんは民間人と違って議員としての資格、保護が与えられているから、かなり強気に海上保安庁の高圧的な脅しに屈しないで戦うことが出来ますが、一般の方はそうもいかないと思いますが。
仲間:脅されたらもう行かない人が多い。しかし川満さん、吉浜さんは脅されても「しようがない、行こうか」ということになります。
>こうした名もない国民、漁民が四、五人で仲間さんを支えている。ある意味で彼らが、日本の領土をシナの侵攻から守っていると言っても過言ではないと思うのですが、如何ですか。
仲間:私はそう思うのでなくて、石垣というのはあくまでも行政区域ですよ。中国とか近隣諸国と摩擦を生じる、生じないは私と関係ないわけです。私は普段通りに自分達の行政区域のことをしっかり調査してそれを国に進言するのが役目ですから、そういう思いはありませんね。
【仲間議員に寄せる市民の期待】
>平成七年から平成十九年にわたって十二、三年の間、石垣市の議員として尖閣問題を取り上げていますけれど、最初の上陸から今に至るまでご自分がやってきた活動に対して石垣市の人達の反応はどの様に変化して来ていますか。
仲間:良いとか悪いとかの評価はしません。役所の職員達からは「右翼だよ」という声もあります。市民の人達の中からでも「仲間は右翼だよ」という声も聞こえるわけです。しかし、領土問題をやるということに関しては殆ど右翼的だと思われます。右翼とは何を言うのか分かりませんが。でもそういう活動をしておかないと自国の領土、領海は守れないというのが私の信念です。誰に何を言われても自分の信念で活動を展開しなければいけないというのが私の信念なのです。
>しかし十年間以上この活動をやってこられた仲間さんですから、その思想信条に共鳴する人も増えているのではないかと思うのですが。
仲間:私は選挙の時には当然「次も頑張るからよろしく」と言います。自分の信念でもって当選させて頂いたらしっかりとこの問題をやっていくという思いです。ですから、当然一緒に領土問題をやろうという人が多くなってきました。今回で四回戦っていますが、ずっと票は増えています。下がったことはない。ですから評価はされているんです。
>勝手連的な仲間均を支援する組織はないのですか。
仲間:私には組織がありません。PTA活動をしたことがない、ボランティア活動をしたこともない、組織にいたことがないんです。ですから「おーい」「はい」の呼び掛けで選挙を戦っています。
>他の議員で尖閣諸島問題を沖縄の議会選挙に公約として掲げて戦っている人はいるのですか。
仲間:石垣市の市議会議員で尖閣を公約に掲げて戦っているのは私一人です。しかし最近では同志が少しずつ増えつつあります。議員としてこの問題を理解し、戦っている人はいます。尖閣諸島=仲間という、多くの支持者がいますので。
>十年間この問題を議会で戦ってきた成果は確実に出てきていますね。仲間均は石垣市の誇るブランドですね。(笑い)
仲間:尖閣諸島は石垣島の行政区域ですから、ブランド云々ではなくて、何故尖閣諸島をここまでやらなければならないかというと、私は石垣島を良くしたい。昭和四十五年から四十七年にかけてアジア機構委員会で調査した結果、そこには多くの石油が埋蔵されていることが分かった。我々の島の中で石油が出れば市民は豊かになります。税金だって出さなくていい。そういうことを私は心待ちにしているわけです。
>仲間さんは趣味でかなり空手をやっていますが。
仲間:空手は小さい時からやっています。
>空手の国際試合で海外に出る時に入国拒否にあったそうですが、具体的にどういうことがあったのですか。
仲間:尖閣諸島で平成八年から九年にかけて大きい騒ぎを起こしていまして、その時に台湾、フィリピン、シンガポールあたりから入国拒否がありましたね。
>その理由は何ですか。
仲間:そういう(右翼)政治活動家だと思っているんじゃないですか。スポーツと政治は違うと思っているんですがね。私は政治家でありながら空手を広める役目も持っています。沖縄の空手を世界に広く知らしめたいという考えを持っていますので。
【もはや否定できない領有権の放棄】
>今まで尖閣に上陸して罰金刑を受けていると聞きましたが、何回位払っていますか。
仲間:罰金は二回位受けています。この度の臨検での事情聴取は終わりました。しかし、これからは船舶安全法違反で検察庁に送る、検察官に呼ばれる、そこから始まります。しかし今回、罰金刑を受けるなら、こんな尖閣なんて中国にあげた方がいい。
>今まで再三再四にわたって台湾、香港、シナの連中が上陸しています。しかしながら政府は、拘束しただけでそのまま熨斗をつけて帰していますよね。外国人が日本の領土に不法上陸して罰金も何もお咎めなしで帰されて、我国の国民が、しかも沖縄の市議会議員が自分の行政区域を視察して罰金刑を受けるのは既に尖閣諸島は支那のものだと客観的に認識していいのではないでしょうか。
仲間:それとこれは違いますからね。ただ日本国の領土だけれども近隣諸国との摩擦を生じさせない、そのために近づけるなよというのが国のトップの考え方だと思うんですよね。
>仲間さんは議員としての立場から、日本の行政トップの事情に配慮を示す表現をしますが、我々一国民からすれば、日本国民が自国の領土に上陸して罰金刑を受けて、支那人、台湾、香港の連中が不法上陸しても何のお咎めなしで帰されるのは、はっきり言って我々はこの尖閣諸島を日本が放棄したと解釈せざるを得ない。事実そうだと言っても差し支えないと私は思いますが、皆さんは如何ですか。
石垣市で孤軍奮闘している仲間均さんという議員がいるということを、日本中に知って貰いたい。日本の尖閣諸島の問題に対して一人でも多くの方々に関心を持って頂きたいと思います。
(平成19年8月2日 )