はじめに、チベット青年会議を代表して、日本におけるTYCの聖火リレー実施のために奮闘してくださった日本の支援者の方々に心よりお礼の言葉を述べたいと思います。我々チベット人のほかにも、こうして多くの日本の方々がチベット問題を喚起するために一致団結してくださることを知り、大変ありがたく感じております。
この聖火リレーの目的は、チベットが1949年に侵略されるまでは独立国であったという歴史的事実に光をあてると同時に、北京オリンピックに抗議することにあります。中国政府はチベット支配を正当化する政治的ツールとしてオリンピックを利用し、また同時にチベット内で起きたチベット人による平和的抗議を厳しく弾圧しています。オリンピックは自由と平和を象徴する世界的イベントであり、そこでは友愛と人類愛が唄われます。スポーツを通じて『平和と調和』の傘下のもとに世界が一つになるのがこれまでの伝統でした。
国際オリンピック委員会(IOC)が、この名誉あるスポーツの祭典を中国で開催することを認めたことはオリンピック精神に反することであったのではないかと思わざるを得ません。100万人以上のチベット人を殺害し、6000もの僧院を破壊し、大量の漢民族を入植させ、チベット人たちを自らの国でマイノリティと化すような政策をとっている中国共産党は、そもそもオリンピック精神に反することをし続けているのです。
今日においても、中国政府は一党独裁であり、植民地覇権主義のような権力構造を持ち、民主的な選挙システムや独立した司法機関も持ちません。世界で最も多い死刑執行数を誇り、インターネットをはじめとするメディアを厳しく監視・検閲し、労働組合を禁じ、人々の基本的人権を踏みにじっています。自国の漢民族に対してはもちろんのこと、チベット人、新疆ウィグル人、満州人、モンゴル人たちは、中国政府の植民地支配の下で、よりいっそう基本的人権を奪われた生活を強いられています。
この聖火リレーは、北京五輪聖火リレーがギリシアから出発した日と同じ3月25日にダラムサラを出発し、北米やヨーロッパを回ってきました。
また、この聖火は、チベット青年会議が中国政府からチベットの独立を得るまで活動を続ける強い決意を象徴し、また、基本的人権を奪われ、弾圧される中で自由を求める声を上げ続けるチベット人同胞たちとの団結を象徴するものです。
最後に、TYC聖火リレーの成功のために尽力してくださった皆さま方全員にお礼の言葉を申し上げます。ありがとうございました。